「フリーランス」と「自営業」の違い

どうもフリーランサー兼自営業者のしんのすけでございやす

先日、こんな質問をされました。

「フリーランス」と「自営業」ってどう違うんですか?
ーー某社長

なるほど。私は、普段何気なく使い分けていましたが、確かにこの用語の違いってわかりにくいですよね。
というわけで本日はその違いをご説明します。

法律上は同じ

似て非なる言葉、「フリーランス」と「自営業」。
両方とも、法律(税法)上の区分ではどちらも「個人事業主」という扱いになり、まったく同じです
フリーランスも、自営業も、独立して事業を行っており、確定申告が必要となります。

法律上は同じですが、では一体なにが違うのでしょう。

専属か、否か

「フリーランス」と「自営業」は、言葉のニュアンスとして、指しているものが違います。

一般にフリーランスという単語をよく使う職業は、IT系のエンジニアやデザイナーのほかに、よく耳にするのは、フリーのアナウンサー、フリーの放送作家、フリーのカメラマンなど、マスコミ・メディア関係ですよね。

「自営業のアナウンサー」とは聞かないですねw (法律上は間違いではないけど...)

「フリーランス」とは、なんらかの職能を持っている人が、企業に専属として雇用されるのではなく、ひとつの会社に縛られずに案件ごとに自由契約できる状態である働き方を指します。

フリーランスになれば、自由契約となるので、会社員としての安定を失う代わりに、収入が上がります。まったく同じ仕事をした場合でも、収入は増えます。社会保障などを自前で行う分、より多く貰わないと割に合わないということもあります。そのかわり、契約を切られるリスクが常にあります。

ですから、就職されていたテレビ局をお辞めになって、局を選ばずに仕事を取りにいける立場のフリーランスアナウンサーになられた方は、特に人気が高く、たくさんの局からお呼びがかかり、単価も上がるということですごい儲けている!というように週刊誌で書かれちゃうわけですねー。

もともとフリーランス(freelance)とは、軍隊における「傭兵」という意味です。正規軍・騎士(職業軍人)の補強として、貴族など雇用主からお金をもらって契約を結んでいた臨時の兵力を指します。

また、「フリーランス」の別の名称として「自由業」という言葉もあります。これはただの言い換えなので同義です。

自営業は、総称

一方、「自営業」はというと、イメージとしては、喫茶店のオーナー店主や、ラーメン屋さんなど店舗を持っているイメージがあるかもしれませんが、実は店舗や事務所の有無は関係ありません

「自営業」は、自ら事業を営んでいる人の総称です。

自営業のほうがフリーランスよりも広い意味で使われるんですね。

私が個人的な使い分けとしてわざわざ「自営業」という言い回しをした場合、"いわゆるフリーランスとは異なる"というニュアンスで使っています。WEB業界の会社さんとの契約を前提としない仕事に対して言っており、具体的には、B2C事業や、広告収入などを指してます。

使い分け

「ブログを書く」という仕事を一つとってみても、以下のように使い分けることができます。

  • WEBメディア企業に所属して書き、給料をもらう → ライター(会社員)
  • WEBメディア企業と契約して書き、原稿料をもらう → フリーのライター
  • WEBメディアを自分で運営して書き、広告収入を得る → 自営業(文筆家)

まとめ

  • 法律上はフリーランスも自営業も一緒(個人事業主という区分)
  • フリーランスは、専属ではなく、自由な契約を前提に働いている人またはその働き方
  • 自営業は、個人で営んでいる商売の全般(意中にフリーランスも含む)

ということになります。

価値観も、働き方も、多様化する時代になってきましたので、混乱しないよう言葉の意味に触れ、整理してご説明させていただきました。